玉川聖学院高等部訪問記

講師 田中啓 (工学系研究科システム創成学専攻 D1)

玉川聖学院高等部写真

授業風景

 

 

以前から,自分の経験を高校生の進路選択に役立ててもらうことは出来ないか,もっと大学と高校間の交流があってもいいのではないかと考えていました.偶然にも,友人が作っていたT-timeというフリーペーパーを見てBAPの存在を知り,BAPの活動を通してそのような希望を実現できるのではないかと思い参加しました.参加から約半年後の2011年11月17,24日の両日,自分の母校ではありませんが,玉川聖学院高等部で出張授業を行う機会を頂きました.

授業は情報の授業内の最先端研究の紹介として,同じ内容を計4回行い,計180名の生徒に御参加頂きました.前半は,生徒の文理選択の時期が近かったことから,私の進路選択について,後半は私が行なっている二酸化炭素の地下貯留に関する研究ついて,最近の日本のエネルギー事情や,簡単な数値シミュレーションの例を交えて話しました.

本番前に行ったBAPメンバーを交えた練習会では,授業の構成から細かな専門用語まで,多くのコメントを頂きました.練習会を通じ,自分が伝えたいことや授業を受ける生徒にとって有益なことなど,何を重視した授業を行うべきかが,自分の中で整理しきれておらず,印象の薄い授業になっていたことを痛感しました.自身の研究の面白さや社会に与える影響力の大きさなど,直感的に理解しやすい内容を中心に授業を練り直し,授業本番を迎えました.

初回の授業は緊張のせいもあり,声がなかなか続かず単調になりがちだったものの,回を追う毎に少しずつ教室内の雰囲気を感じる余裕が出たのを覚えています.授業の雰囲気はクラスによって違いましたが,どのクラスの生徒さんも,私のつたない説明を理解しようと聞いてくれました.中には,授業の途中に質問をしてくれる生徒もおり大変嬉しく感じました.また,授業後に行ったアンケートではほとんどの生徒が全ての項目に答えてくれ,興味深い質問も多くありました.しかしながら,必ずしも全員の興味を惹くことが出来なかったのも事実であり,特に最初のクラスの生徒には申し訳なかったと思います.今後は今回の経験を他の出張授業の練習会等で役立てていくつもりです.

最後に,出張授業を行うにあたり,練習会,ミーティングに参加して頂いたBAPメンバーの皆さん,このような機会を与えて下さった玉川聖学院の先生方,授業をする上で有益なコメントを頂いた授業のティーチングアシスタントの方,また,自分の話に耳を傾けてくれた生徒の皆様には大変感謝しております.