日比谷高校訪問記

講師 千葉洋子 (農学生命科学研究科応用生命工学専攻 D1)

日比谷写真1

自己紹介をする千葉さん

 
日比谷写真2

授業の様子

 

私がBAPに参加した理由は主に2つあります。ひとつは、愛する母校に何か恩返しがしたかったということです。大学院生が大学での生活を紹介することで、高校生たちが自分の近い将来をイメージしやすくなり、進路選択の助けになるのではないかと思いました。もうひとつは、たとえ研究者を目指さないとしても、将来社会の中心的役割を担い、制度を作る側に立つ彼らに、研究の「生の姿」を知って欲しかったということです。

私の出張授業は平日の放課後、希望者(1、2年生各7、4人の計11人)に対して行われました。まず、自己紹介や大学生活の紹介を兼ねてなぜ微生物に興味を抱き、微生物の研究を選択するに至ったか述べ、次に微生物について簡単に紹介しました。そして、最後に私が修士課程で行った研究を示しました。研究についてなるべくリアルに感じ取ってもらいたかったので、研究成果だけでなく、どのような失敗や苦労があり、それに対してどう対処したか、発見できた瞬間どれだけ嬉しかったのか、ということを分かりやすく伝えるように努めました。生徒達はスライドを食い入るように見つめていたり、「あなただったらどう思う?」などの問いかけにしっかり返事をしてくれたりと友好的な雰囲気で、話しやすかったです。

アンケートの結果、全員が授業は大変面白かったと答えてくれました。たくさんのコメントも綴られており、感動しました。特に、「研究の過程が失敗も含めて見られたのがとても面白かった。」「研究は必ずしも思い通りに進まないものなのだなと思った(むしろうまくいく方が少ない?)」「かかった時間の長さに驚いた。」「研究はとても大変なイメージが強かったが、研究のつらさだけでなく、楽しさもわかった気がした。」などの感想が多く、私の狙いは達成できたのではないかと思います。さらに、もっと詳しく聞きたい、博士課程での研究も紹介してほしい、などの感想もいただきました。窓口となってくださった高校の生物の先生にも好評で、今後も日比谷高校でこのような活動を続けていくことを検討中です。